ミュージシャン椎名林檎が8月16日に北海道で開催された「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO」に17年ぶりに出演した際、ファンが手にしていた旭日旗風の旗が話題となった。旭日旗は朝日や太陽をモチーフにしているが、旧日本陸軍の軍旗としても用いられていた歴史から、一部では戦争や軍国主義を連想させ否定的に受け止められている。しかし椎名林檎は以前から旭日旗をモチーフにしたグッズを制作しており、ファンの間ではおなじみのものだ。テレビで初めてその姿が公開されたことで違和感を抱く視聴者も多く、SNS上では肯定派と否定派で意見が分かれている。肯定派は旭日旗を日本の伝統的なポジティブな象徴として大切にすべきとし、否定派は戦後80年の節目を迎える時期に見るのは不快だと感じている。椎名林檎は音楽活動以外にも2016年のリオデジャネイロオリンピック閉会式での音楽監督や、同年の自民党文化伝統調査会への出席など保守的な活動も行っており、そのスタイルは単なるファッションに留まらないとされる。こうした背景もあり今回の旭日旗風グッズに対する賛否は根強い関心を集めている。高校生ユーチューバーのゆたぼんはSNSで「旭日旗はお祝いの時や応援で使われる旗」と擁護し、伝統文化として継承すべきとの考えを示している。椎名林檎のグッズを巡る論争は、日本文化の捉え方や歴史認識の多様性を浮き彫りにしている。推しとして彼女の音楽やスタイルを尊重しつつ、この議論の背景を理解することが求められるだろう。