1988年公開のスタジオジブリの代表作『となりのトトロ』には、劇場版ポスターに描かれた“謎の少女”が話題となっている。

ポスターでトトロと一緒にバス停に立つその少女は、サツキと似た服装だが顔はメイのように幼く、おさげ髪をしている。この少女はサツキでもメイでもなく、制作初期に考えられていた単独主人公の“メイ”だけの物語の名残とされている。

本作はもともとメイ1人の物語として絵本にしようとしたが、少女1人では物語の展開が難しいと宮崎駿監督は判断。

そのため姉のサツキを登場させ、姉妹がトトロと出会う物語へと変化した。

しかしポスター制作の段階では、宮崎監督は初期案にあった1人の少女がトトロと並ぶイメージを活かしたかったため葛藤が起きた。

1人の少女がトトロとバス停に立つ案では幼いメイが1人で留守番することになるため、それを避けるため最終的には姉妹が共に描かれることになった。

この背景を知ると、ポスターの少女が誰なのかの謎解きがファンにとって新たな楽しみを提供している。

『となりのトトロ』は今なお世代を超えて愛され、細かな制作の経緯が作品の魅力をさらに深めている。