2025年の夏ドラマ市場で、嵐のメンバーが主演する作品が視聴者の注目を集めている。無料配信サービスTVerのお気に入り登録数では、櫻井翔主演の「放送局占拠」が140万超、松本潤主演の「19番目のカルテ」が93万超と上位を独占している。さらに相葉雅紀主演の「大追跡 ～警視庁SSBC強行犯係～」も視聴率で好成績を残している。これらの成果は嵐の解散前の“特需”も影響しているが、単なる話題性だけでなく実際の数字で裏付けられている。

また、King & Princeの高橋海人やSnow Manのラウールといった旧ジャニーズ事務所の若手も上位に食い込んでおり、現代のテレビ業界における旧ジャニーズグループの影響力の強さが浮き彫りになっている。現状、テレビ局は視聴率や集客力の面で安定した人材への依存を続けており、代替が難しい状況だ。

背景には、2023年9月に当時の藤島ジュリー景子社長が性加害問題を公に認めたことがあり、これに伴いキャスティング見直しの動きは一時的にあったものの、効果的な代替人材が不足しているため、旧ジャニーズ系タレントへの回帰傾向が進んでいるのだという。さらに、旧ジャニーズ事務所の跡を継ぐSTARTO ENTERTAINMENTに元フジテレビ専務が新社長として就任し、藤島ジュリー氏の復権もささやかれている。これにより、テレビ各局や広告代理店との連携が強化され、水面下でタレント出演の調整が進む見込みだ。

こうした動きは、若年層のテレビ離れが進む中でも一定の集客力を持つタレントへの依存が続くことを示しており、旧ジャニーズ事務所関連の影響力が今後も継続しそうだ。視聴者からの支持に加え、業界内での強固な関係性が今後の番組制作動向にも大きく影響していくことが予想される。