映画『国宝』が興行収入21億円を超え、大ヒットを続けている。

本作は、任侠の家に生まれた主人公・喜久雄が歌舞伎役者としての人生を歩む中で、名門の歌舞伎一家の当主・花井半二郎の息子・俊介（横浜流星）との関係を軸に展開される人間ドラマである。

上映時間は約3時間と長編であるにもかかわらず、公開から3週目で週末の映画動員ランキングトップに立つほどの人気を博している。

映画は「視線」や「見る」「見られる」というテーマが印象的に描かれており、主人公の背中に入ったミミズクの入れ墨が観客を見つめるように演出されている。

物語の始まりは、喜久雄の父が抗争で亡くなり、その瞬間までを喜久雄が見届けるシーンだ。父の死が主人公の心に強く刻まれ、その日の雪が舞う長崎の情景や、彼が演じていた歌舞伎演目「積恋雪関扉」の象徴的なシーンも印象深い。

悲劇を経て、名門歌舞伎家の当主・花井半二郎に引き取られ、喜久雄は彼の息子で同年代の俊介と共に歌舞伎の修行に励むことになる。二人の青春と成長、絆が物語の大きな柱となり、観る者の心に響く内容となっている。

この作品のテーマ性、登場人物の繊細な描写、そして横浜流星の演技が評価されており、観客の支持を集めた結果としての大ヒットである。推し活ユーザーにとっても感情移入しやすく、映画鑑賞後の話題も豊富な作品といえる。