1990年代に各メーカーから販売されていたステーションワゴンは徐々に人気が衰退し、新車はほとんど見られなくなっている。そんな中、ホンダの「アヴァンシア」は1999年に発売された高級ステーションワゴンとして注目されたモデルである。

開発コンセプトは「上級セダンの質感と落ち着き、ゆとりある広さと快適な居住空間」を目指し、「リムジン空間」と名付けて実現した。室内はミニバン並みの高さを確保し、横方向も広い空間に加え、センターウォークスルーが可能な設計となっている。

外観は7代目アコードとは異なる独自の「アーチキャビンフォルム」を採用し、エクステリアとインテリアの両面で高級感を追求した。内装には合成皮革とファブリックのコンビシートを装備し、上質さを演出している。

パワーユニットは3リッターV型6気筒エンジンと2.3リッター直列4気筒エンジンの2タイプが搭載可能で、駆動方式はFFか4WDを選べる。駆動系も4速ATまたは5速ATが組み合わされ、当時の高級車として高い性能を確保していた。

しかし、日本市場には既に「アコードワゴン」やワゴンタイプミニバン「オデッセイ」など競合車が多く、販売面で苦戦し2003年に販売終了となった。

その後、約13年を経て中国向けにモデルチェンジし、再び注目を集めている。