俳優の生田斗真が最新ドラマ「べらぼう」で演じる一橋治済は、その行動の真意が見えない、ミステリアスで不気味なキャラクターである。

彼はドラマ内で重要な黒幕的存在として描かれ、酒色や財力に恵まれた御三卿の一人として振る舞うが、明確な目的を持って動いているように見えないのが特徴だ。

生田はこの役柄について、「やることなすこと全てが戯れのように見え、軽く扱う態度が不気味さを増している」と説明している。

彼の息子が将軍となることによって満足している様子もなく、彼自身も本当に望んでいるものは何か不明と語る。

また、役の演出においては怒りや憎しみを表に出さず、軽い感じで「どいてくれ」といった態度を出すことに重点を置いているそうだ。

こうした独特な演技アプローチは視聴者に一種の緊張感を与え、生田自身も共演者である渡辺謙から「本当に悪い奴だ」と冗談交じりに言われるほど役にのめり込んでいる。

彼は以前演じた歴史人役よりも一層、“嫌なやつ”としての面が強調されており、その笑顔すらも不気味に感じさせる演技を心がけている。

また、生田は役柄の不透明な内面を探ることも楽しみの一つにしているようで、その謎めいた性質が見る者を引きつけているとも述べている。

このような複雑で多面的なキャラクターを演じることで、生田斗真の演技の幅がさらに広がり、その魅力が改めて光っている。

「べらぼう」は歴史の裏側を描くドラマとして注目されており、生田の演じる人物像が物語に独特の深みを加えている。