宇多田ヒカルが出演する『綾鷹』のCMと、ケンタッキーの創業記念パックCM『THE SIZZLE篇』が、独特な演出で注目を集めている。両CMでは、食欲を刺激する“シズル感”を強調する手法が用いられており、特に“指ペロ”という仕草が視聴者の間で賛否を呼んでいる。

ケンタッキーのCMでは、若い女性が夜に一人でチキンを手づかみで食べる様子が描かれ、「今宵、私は野性に返る」というナレーションのもと、脂でテカリ、衣が手につくなど生々しい食べ方が強調される。中でも、手についた衣を指でなめる“指ペロ”が多用され、チキンを噛む咀嚼音も際立つため、視聴者には過剰だと感じられている。

一方、宇多田ヒカルが出演する『綾鷹』のCMでは、素手でおにぎりを握り、その指先に付いた米粒をなめるシーンがある。これもまた視聴者から「不潔」といった批判が上がっており、食中毒への注意が叫ばれる季節に放映されることも懸念されている。

飲食関係のCMで“シズル感”の演出は古くから採用されているが、近年では過剰な表現が目立つこともあるようだ。これらのCMは商品への注目度を高める狙いがある一方、視聴者の食欲への刺激と不快感の境界線に触れる内容として議論を呼んでいる。

ネット上では「速攻チャンネル変えた」「食べ方が汚い」「不潔に見える」といった声が多く、こうした演出の是非が問い直されている。今回の現象は、食に関するCMの描き方が消費者感覚とどのように折り合いをつけていくかの課題も示している。

今後、広告制作側は視聴者の心理や衛生意識を考慮した演出を模索する必要があるだろう。推し活ユーザーにおいても、話題のCM出演や印象的なシーンはファンの注目ポイントとして受け止められている。

宇多田ヒカルの表現がファンに与える影響やCMの演出方法の変化は、引き続き注視されるだろう。