トヨタは2007年7月に、プレミアムコンパクトハッチバックである「ブレイド」の最上級グレード「ブレイドマスター」を発売した。

ブレイドマスターは、当時のCセグメント車としては異例の3.5リッターV6エンジン2GRを搭載し、最高出力280PS・最大トルク344Nmの力強い性能を誇る。

全長4260mmのコンパクトなボディに、高級セダンの装備や質感を凝縮。その名が示すように「ミニクラウン」とも呼ばれ、スポーツハッチとしての性能を高めた一台である。

トランスミッションは6速ATのSuper ECTを採用し、スポーツモード付きのゲート式シフトも搭載。駆動方式は前輪駆動（FF）だ。

専用にチューニングされたサスペンションはフロントがストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式を採用し、大排気量のパワーを巧みに支える。

大径ブレーキと専用の17インチアルミホイールが搭載され、外観は専用グリルやリアスポイラーによりさりげなくも力強い印象を与える。

オプション装備としてキセノンヘッドランプやスマートエントリーシステム、イモビライザーが選択可能で、安全性と利便性も充実させている。

コンパクトながら高級セダン並みの走りと装備を実現し、異色のスポーツハッチとして今でも話題にのぼるモデルだ。

その短命ながらも挑戦的な存在感は、自動車ファンの間で再評価されている。

まさに独自のポジションを築いたトヨタの試みとして、今後も注目され続けるだろう。