トヨタが2007年に発売した「ブレイドマスター」は、コンパクトハッチバックでありながら高級セダン並みの性能を誇る異色のモデルである。

全長4260mmのコンパクトなボディに、3.5リッターV6エンジンを搭載し、当時のCセグメント車としては破格の最高出力280馬力、最大トルク344Nmを発揮した。

これは当時の高級セダンである「クラウン」や「マークX」と同系統のエンジンであり、国産車の中でも異例のパワフルなスペックであった。

駆動方式はFFで6速ATを採用し、スポーツモード付きゲートシフトや専用チューニングのサスペンションが備わり、ダブルウィッシュボーン式リアサスペンションなど高い走行性能を実現している。

外観はベース車のブレイドと大きくは変わらないが、専用グリルやリアスポイラー、17インチアルミホイールがさりげなく個性を演出する。

さらにキセノンヘッドランプやスマートエントリーシステムなどの先進装備がオプションで用意され、日常の利便性と高級感も両立していた。

短命に終わったモデルであるが、この独特のコンセプトと性能は今なお話題となっており、トヨタの異端児的存在として根強いファンを持つ。

この「ブレイドマスター」のようなスポーツ性と高級感の融合は推し活の楽しみにも通じ、選択肢の幅を広げる魅力あるクルマである。

トヨタが送った挑戦的な一台が、時を経て再評価される姿は、ファンとしても興味深いトピックである。