俳優の小栗旬と松坂桃李が共演した映画『フロントライン』が6月13日に公開される。

この作品は、横浜に停泊中のクルーズ船で発生した新型コロナウイルスの集団感染を題材にしており、当時の関係者への詳細な取材をもとに制作されている。

小栗旬はDMATの指揮官を、松坂桃李は厚生労働省の役人を演じており、二人は当時の現場の葛藤や苦悩をリアルに表現している。

出演のオファーを受けた小栗は、「やるべきものだ」と強く感じ、膨大な調査に裏付けられた脚本を読み「やらない選択肢はない」と判断したと語る。

松坂も同様に、第一線で命がけで対応した人々の姿を伝える意義を感じ、参加することに強い使命感を抱いたという。

当時のニュースを見聞きした二人は、初めは恐怖や不安が自分たちの身近にはないものと捉えていたが、演じる過程で情報の取捨選択の難しさや、現場の医療体制の実態を深く理解。

特に小栗は、「一方的な情報だけで判断してはいけない」と反省を示し、情報過多な現代社会の危険性も指摘した。

また松坂は、当時報道であまり語られなかった現場の葛藤や努力を知ることができた意義を強調。

こうした経験を踏まえ、両者は共に作品を通じてコロナ禍の真実や現場の奮闘を届ける使命を果たしている。

ファンにとっては、人気俳優が社会的意義のある作品で真摯に役に向き合い、新たな魅力を発揮している姿を楽しめるだろう。

この映画は、単なるドラマ表現を超え、俳優たちが現実の問題と向き合い、それを深く体験したことで得た説得力ある演技が光る作品と言える。

今後の両俳優のさらなる挑戦にも注目したい。