NHKの放送100年を記念して制作される特集ドラマ『火星の女王』が12月に放送されることが決まった。

本作はSFドラマで、火星に10万人が移住した2125年の未来社会を舞台としている。主人公のリリ-E1102は視覚に障害を持つ火星生まれの22歳の女性で、地球への移住を目指している。彼女を演じるのは国際オーディションで選ばれたスリ・リン。

一方、菅田将暉が演じる白石アオトは地球に住む惑星間宇宙開発機関(ISDA)の若き職員であり、鉱物の専門知識を持つ。彼は火星での研修中にリリと出会い、互いに火星のバンド「ディスク・マイナーズ」のファンで意気投合する。菅田のキャラクターは父親の22年前の行方不明事件に関わる謎を追う役どころでもある。

脚本は吉田玲子が担当し、小川哲の原作を基に制作されている。ドラマは火星社会におけるISDAの支配と、自由を求める住民たちの葛藤、そして未知の超常現象の出現によって動き出す群像劇となっている。

菅田将暉はこの作品について「未来を想像しながらの演技は未知との遭遇の連続だった」と語り、進化した技術の隣には変わらぬ人間の温もりがあると説明した。

過去に多彩な役柄を演じてきた菅田将暉は、このSF作品でもリアルな人間ドラマの深みを演じる強みを発揮しそうだ。加えて音楽活動でも成功を収めている彼が、音楽好きな主人公と同じくバンドファン役を演じる点も注目される。

本作は12月の放送で、視聴者に未来社会の想像と人間の本質を問いかける内容となる。

多様な役柄をスマートに演じる菅田将暉の新境地に期待が高まっており、ファンやSFドラマ好きには見逃せない作品であろう。