俳優の菅田将暉が主演を務めるNHK放送100年特集ドラマ『火星の女王』が2025年12月に総合テレビで放送されることが発表された。この作品は小川哲の原作を基に、吉田玲子が脚本を手がけ、火星に10万人が移住した2125年、100年後の未来を舞台としている。

物語の中心にいるのは視覚障害を持つ22歳のリリ-E1102（スリ・リン）と、地球に暮らすISDAの若き職員・白石アオト（菅田将暉）である。菅田の役どころは鉱物に詳しく、火星での研修期間中にリリと出会い、地球のバンド「ディスク・マイナーズ」のファンという共通点で意気投合する。

菅田自身は「想像の先の先をイメージしながらの演技は未知との遭遇の連続だった」と語り、進化したテクノロジーが存在する未来でも変わらない人間の温もりを表現できたとコメントしている。リリ役のスリ・リンは「この未来の物語で皆さんと作品づくりができて幸せだ」と自身の役柄に感慨を述べている。

ドラマは未知の力を持つ謎の物体の出現をきっかけに、支配機関ISDAと住民の間で揺れる火星社会に新たな時代の兆しが迫る様子を描く。菅田の多彩な演技力が、SFという格別な世界観にリアリティと深みを与えることが期待されている。

これまで多様な役柄で評価を重ねてきた菅田は、俳優としてのみならず音楽活動でも人気を博しており、その多面的な才能も注目されている。新たな挑戦となる本作を通じて、これまでの彼の経験が活かされることは明らかだ。

本作の放送はNHKの長い歴史の節目を彩るだけでなく、視聴者に未来の可能性への想像力を掻き立てることになる。推し活のファンにとっても、菅田将暉の新境地を目撃できる貴重な機会となるだろう。