NHKは放送100年を記念したSFドラマ『火星の女王』を12月に総合テレビで放送する。舞台は2125年、火星に10万人が移住してから約100年の未来である。主演のスリ・リンは視覚障害のある音楽好きな主人公・リリ-E1102を演じ、菅田将暉は地球で暮らすISDA日本支局の若き職員、白石アオト役を務める。

白石は鉱物に詳しく、火星での研修中にリリと出会い、互いに彼らの好きな地球のバンド「ディスク・マイナーズ」のファンという共通点から親交を深める。物語は未知の超常現象や行方不明になった父の謎を軸に、火星社会の複雑な状況や人間関係を描き出していく。

菅田は本作について「想像の先の先を演じる未知との遭遇が続く」とコメントし、未来世界におけるテクノロジーと変わらぬ人間の温もりを表現する難しさと魅力を語った。彼の演技は、これまで幅広い役柄で培われたリアリティある表現力により、非現実的な設定にも生身の存在感を与えている。

また、菅田の音楽活動も注目されており、米津玄師プロデュース楽曲などで多くのファンを持つ。今回のドラマ出演は彼の俳優としての幅をさらに広げるものとして期待されている。

作品は、小川哲の原作を吉田玲子が脚本化。火星社会の自由と支配、そして超常現象との遭遇が交錯し、壮大な物語が展開される。放送開始が近づくにつれ、注目が高まっている本作は、SFドラマの新たな地平を切り開く存在になりそうだ。

ファンにとっては菅田将暉の新たな挑戦を見届ける絶好の機会となるだろう。期待値の高いキャストと脚本陣によって、12月の放送が待ち遠しい作品である。