菅田将暉が出演するNHK放送100年特集ドラマ『火星の女王』が、12月にNHK総合で放送されることが発表された。本作は原作に小川哲の同名作品を用い、脚本は吉田玲子が担当。舞台は火星に10万人が移住し、人類が新たな社会を築いてから100年後の2125年というSF設定である。

主人公の一人には国際オーディションで選ばれたスリ・リンが扮するリリ-E1102が登場する。彼女は24歳の視覚障害を持ち、火星アカデミー卒の音楽好きとして描かれている。彼女と菅田将暉が演じるISDAの若手職員・白石アオトは研修で出会い、共に地球のバンド「ディスク・マイナーズ」のファンとして意気投合する。

白石は父親の失踪に科学者の関与を疑うなど謎めいた過去を持ち、火星社会の不安定な情勢と共に物語に深みを加える。未来の技術と変わらない人間の温もりを対比しながら、未知の超常現象が火星で起こることで100年後の新時代が動き出す壮大なストーリーだ。

菅田は過去に多彩な役を演じて人気を博し、俳優活動のみならず音楽でも高い評価を得ている。彼の演技は多様なキャラクターの魅力を生かし、ジャンルを超えて作品に深みを与える力がある。

初のSFドラマ主演として、未知との遭遇や未来社会の描写に挑む本作の放送は、ファンにとっても期待が高まるニュースである。12月の放送に向けて、彼の新たな表現の一端を楽しみに待ちたいところだ。