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前回は「自己一致=内側の気持ちと、外に表れている自分が調和していること」について触れました。
今回は、その自己一致を日常の中でそっと助けてくれる「マインドフルネス」についてお話しします。
マインドフルネスとは、「いま、この瞬間に、評価せずに注意を向けること」と定義されています。
難しい信念や特別な知識は必要ありません。呼吸に気づくこと、歩くときの足の感覚を味わうこと、飲み物の香りや味をしっかり感じること──そんな小さな実践の積み重ねです。
マインドフルネスを取り入れることで、「自己一致」に近づきやすくなります。
「本当は疲れているな」「少し安心しているかも」と気づけると、その気持ちを大切にした選択がしやすくなります。
「できていない自分はダメだ」と思い込むクセを一旦お休みし、背伸びしない自分に立ち戻ることができます。
反射的に我慢したり言い返したりする代わりに、「どう振る舞うか」を自分で選べる余白が生まれます。
世界中でマインドフルネスは研究されており、次のような効果が報告されています。
・ ストレスや不安、気分の落ち込みを和らげる
・ うつの再発予防に役立つ(マインドフルネス認知療法)
・ 「歩く瞑想」によるストレス低減や気持ちの安定
ただし、誰にでも万能というわけではありません。人によっては不安が強まることもあるため、安心できる範囲で、無理なく取り入れることが大切です。
足の裏に伝わるリズム、夜風の心地よさ、街の静かな音。
話してもいいし、沈黙のままその感覚を味わうのも、立派なマインドフルネスです。
カップの温かさ、立ちのぼる香り、一口ごとの味わい。
「いまここ」に気づくだけで、自然と会話も落ち着いていきます。
自己一致は「いつも完璧に自分らしくいること」ではありません。
むしろ、「気づいて、選ぶこと」を少しずつ積み重ねていくこと。
マインドフルネスは、その気づきを育てる小さな土台になります。
もし「少し話したいな」「静かに歩きたいな」と思ったら、どうぞ傾聴散歩や傾聴茶話にお越しください。
沈黙も、会話も、安心して受けとめられる時間の中で、一緒に「自分らしさ」を取り戻していけたらうれしいです。